
コロナの蔓延以来、さまざまな建物で換気が見直されています。換気は感染予防の面だけでなく、室内の空気の対流などをコントロール可能となり、冷房や暖房を効率的に使用できるようになり、エコにもつながります。冷凍倉庫も例外ではなく換気が重要なのです。倉庫は広い空間だけに換気がしにくい面もありますが、換気を工夫することでメリットもあります。今回は冷凍倉庫の換気について解説します。
1. 冷凍倉庫に換気は必要
冷凍倉庫には冷凍食品や食肉などの食材が大量に保管されるのです。それらの商品は倉庫内の温度の変化で劣化することもあり得ます。冷凍倉庫内の商品は種類も量も多く、少しの環境変化で腐敗したり、カビが生えたりすることもあり得るのです。
基本的に居室には換気が義務付けられますが、倉庫は「物品を保管・貯蔵するための建物」と定義されており、物品のみを保管する冷凍倉庫であれば、居室ではないため建築基準法上は換気設備が必要とはみなされません。しかし、倉庫には結露が発生しやすく、結露は倉庫内の商品に悪い影響を与えるのです。結露対策でも換気は重要になります。
1-1. 倉庫は結露が発生しやすい
倉庫には人の出入りが多くあり、水分も多く存在し、結露が発生しやすい環境です。結露の直接的な原因は湿気と温度差です。冷凍倉庫は温度差も起こりやすく、湿度もたまりやすい環境といえます。冷凍倉庫はじめ、一般的に倉庫は間仕切りのない広い空間があり、空気が均一に循環しにくく、また冷えた空気は停滞しがちです。その結果、冷凍倉庫内では場所によって温度差ができやすくなるのです。さらに倉庫の床や壁のコンクリートは、湿気をためこみやすい性質があり、結露が起きやすい条件もそろっています。
1-2. 結露で冷凍能力の低下もある
冷凍冷蔵庫で発生した結露は凍結し、次第に大きくなって行く傾向があります。大きくなり冷凍倉庫の構造体を破損させてしまう危険性もあり得るのです。そうなると、断熱性能が低下する恐れもあります。また、冷凍倉庫は低温を保つため窓も少なく、湿気を逃すことが困難な状況です。それだけに、結露の原因となる湿気を逃すために換気が重要となり、しっかりとした換気設備を設置することが求められるのです。
2. 冷凍倉庫の換気の効果
広い倉庫内だけに空調効率は良くありませんが、倉庫内の湿度を適切なレベルに保つことで、保管している商品を結露から守ることが可能になります。その他にも冷凍倉庫に換気設備を備えることで、さまざまな効果があるのです。
2-1. 臭い対策
冷凍倉庫に保管する商品のなかには、強い臭いを発生させるものもあります。魚介類の一部では生臭い特有の臭いがあります。このような臭いが保管している別の商品の包装に染みついてしまうこともあり得るのです。臭い除去のためにも換気設備を設置すると、臭い移りの防止効果が期待できます。
2-2. 除湿・カビ対策
冷凍倉庫に限りませんが、換気することで倉庫内の湿度を最適な状態に保つことで、倉庫内の商品や食材をカビから守れるのです。換気設備で湿気を遠ざけることで、保管する商品の品質が保たれ、カビや腐敗を防ぐことにつながるのです。
2-3. 感染症対策
なかなか感染が収束しない新型コロナウイルスや、その他の感染症のウイルスは、密閉空間となった倉庫内ではそのまま留まり続けます。そのため働く方々の感染リスクも高まる可能性が高くなるのです。ここでも換気は重要になります。
3. 冷凍倉庫の換気方法
この章では冷凍倉庫だけではありませんが、倉庫に使用される換気装置についての紹介です。もっとも基本となる換気方法は「窓やドアの開放」です。窓やドアを開放する換気は、特別な設備を設置することなく換気ができます。一方で、ホコリや虫が入る危険性もあり、食品を保管する倉庫には向いていません。
有圧換気扇は、排気圧力を持っている換気扇で、 強力な排気能力を備えている換気扇です。 換気能力がきわめて高く、大量の空気を短時間で換気することが可能です。また、普通の換気扇とは違い、外部の空気抵抗を受けにくい構造で、極端に風量が下がらないように設計されています。 天井部分に取り付けるシーリングファンは、空気の循環を促進し、対流を発生させる換気装置です。ただし、倉庫内の低層の空気は循環しにくい面が見受けられます。冷凍倉庫の規模や保管する商品の特性などを踏まえて、それぞれの倉庫に最適となる換気方法を検討しましょう。
4. まとめ
以上、冷凍倉庫や一般の倉庫における換気設備の重要性や効果について紹介しました。倉庫に換気設備を導入することで得られるメリットは複数あります。基本的に倉庫は荷物を保管するだけの機能であり、建築基準法上の換気基準の影響は受けません。しかし近年増えている、大型物流倉庫など倉庫のなかで仕分けや梱包作業を行うことも多く、働くスタッフの作業環境改善のためにも、換気設備は必要なのです。 「紀和テクノ」は、大阪市大正区に事務所があります。当社は倉庫や工場で必要な防熱扉の施工・メンテナンスを専門に行っており、大阪はじめ、日本全国に出向いて工事を承ります。また、当社は豊富な施工実績であらゆる難工事にも対応いたす所存です。さらに、施工後のメンテナンスも完璧に対応いたします。 冷蔵倉庫や冷凍倉庫や工場の防熱扉工事など、どのようなことでも当社まで、ご遠慮なく相談ください。さらに、当社では冷凍倉庫や冷蔵倉庫に興味のある方を求めております。楽しい職場で一緒に働きましょう。